松一松一

経営者の前に男の決断を

小路 智明様 / 株式会社東豊技建

スーツの概要
 ARISTONのシアサッカー生地を使用したこのスーツは、一見派手に思われるかもしれませんが、太目のストライプがエレガントな雰囲気を醸し出します。暑い季節にこそ、その魅力を最大限に発揮する一着です。

受注経緯
 2回目のお仕立て、今回は、夏に装う少しエレガント感と暑い中でも、キッチリできる装いという事でご依頼です。

松一Note
 後日、このシアサッカー生地のスーツを装って、某リゾート地での大きな契約がきまったと報告があり、ビジネスの一助になったお仕立てが出来たことを嬉しく思います。米沢様ありがとうございます。

建築現場を守る、足場の職人集団をまとめ、現場の安心安全を守る職人集団、近畿圏内を中心に事業を展開している。

営業_salesman

先代は年齢的に継承の時期が近づいていたが、大型台風や高槻地震が業界に大きな混乱をもたらした。その後の復興対応により現場は多忙を極め、取引先からは深夜でも構わないので足場を組んでほしいと依頼が続き、休みのない日々が続いた。さらに、翌年にはコロナによる緊急事態宣言が追い打ちをかけ、先代は私に事業を継承させることを決断した。

なぜ私が継承者に選ばれたのかは正確にはわからないが、もともと私は職人だけで運営する小路工業を経営していた。先代から「もっと売り上げを伸ばすなら東豊技建に入り、営業を学べ」との助言を受け、小路工業を解散。仲間たちは一緒に東豊技建に移り、下請け業者として協力してくれた。

私も営業マンとして活動を始めたが、敬語も知らず、学歴もなかったため、自分にできることは飛び込み営業しかないと考え、毎日40件の飛び込みを続けた。しかし、最初の半年間は全く成果が出なかった。ところが、ある日一本の電話が入り、それが私の営業活動で初めての成果となった。それ以降は売り上げをどんどん伸ばすことができ、現在では、7割の仕事を私の営業で受注している。今、事業を継承して思うのは、営業マンとして仕事をしていた時は、仲間たちのためにも仕事を受注し、多くの給料を持って帰ってもらいたいと思いながら、初めての営業にも根性で取り組めたが、小路工業時代を振り返ると、もしかしたら経営者としての責任から逃れたいという気持ちもあったのかもしれないと思う。

事業継承_seed

私は、コロナ禍の最中に3代目として事業を引き継ぎました。緊急事態宣言の影響で、多くのプロジェクトが始まらず、既に決まっていた仕事も白紙に戻ってしまい、徐々に仕事が減っていく厳しい状況に直面しました。社員たちは、助成金や融資のおかげで何とか守ることができましたが、下請け業者を守ることができませんでした。その理由は、仕事が減ったことだけではなく、彼らが今まで税金を納めていなかったために助成金や融資を受けられなかったことが大きかったのです。「当たり前のことを当たり前にすること」ができていなかったことが、業界全体に大きな転換期をもたらしたと感じています。

私は、これを機に、外国人研修生に対してより多くの時間を割き、日本語の学習を進めてもらいました。言葉の壁を乗り越え、現場での作業内容の理解を深めるためです。また、下請け業者の社員化を推進し、組織としての強化を図りました。

改革期_innovation

コロナ禍が落ち着き、少しずつ以前の日常が戻りつつある中で、私は経営者として、新たな挑戦に取り組んでいます。社員たちの前向きな姿勢や熱意に再び触れ、それを引き出すために、やりがいのある仕事を創り出すことが重要だと感じています。そのため、事業を足場工事に特化させ、ゼネコンからの仕事を受注できる組織へと変革を進めています。また、小路工業から付いてきてくれた下請け業者の仲間を社員一人ひとりを正社員として迎え入れることで、組織の安定と成長を図ると同時に、社員教育にも力を注いでいます。これにより、お客様に対して一層丁寧で誠実な対応ができる組織を目指し、次の事業継承へとバトンを渡していきたいと考えています。

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松一 「中小企業経営者のスタイリスト」
担当 松本 晋一
〒587-0012 大阪府堺市美原区多治井157-57
お問い合わせ  https://matsuichi.jp/contactform/

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